ショパン、フォーレ、ラヴェル 角野隼斗、ジャン・マルク・ルイサダのコンサート
テレビ朝日「題名のない音楽会」、今回はスペシャルコンサート、聴き応え十分な内容で、30分ではもったいない内容だった。1時間にしてほしかった。注目のピアニスト、角野隼斗(かてぃん)が師のジャン・マルク・ルイサダとのソロ、連弾による素晴らしいコンサートだった。
まず、角野がショパン ワルツ Op.18「華麗なる大円舞曲」を演奏、歌心も感じられ、見事だった。ルイサダもショパン マズルカ Op.17-4を演奏、円熟味が感じられ、味わい深い演奏だった。ここ最近、ルイサダの演奏はご無沙汰していたものの、このような形で円熟した味ワイに満ちたショパンを聴くことができたことは嬉しい。
実際、ルイサダには、改築前のヤマハ銀座店でばったり出くわしたことがある。あの頃の飄々とした風貌にも白髪が混じっている。それだけ、年を取ったことになろうか。演奏にもコクが加わり、じっくり味わい深くなったことを思った。角野がルイサダに師事した経緯を聞くと、コンサートを聴いた時に弟子入りを決心して、知人から繋いでもらったという。ルイサダも角野の才能に驚かされたそうである。
ルイサダは、連弾ほど室内楽では一番苦労するものだと言った。腕の動き、ペダリングの大変さなど、苦労することも多いという。2台ピアノの方がいいかもしれない。
まず、フォーレ「ドリー」Op.56 第1曲「子守歌」、フランスのエスプリが感じられる。4手のための作品集で、コルトーによる独奏版もある。フォーレは、エンマ・バルダック夫人と恋愛関係にあったことは確かで、バルダック夫人の娘、エレーヌがフォーレの子だったこともわかっている。後に、ドビュッシーがエンマ夫人と正式に結婚した際、エレーヌの存在を知っていた可能性も高い。実際、フォーレとドビュッシーは仲が悪く、エレーヌの存在が原因だったようである。ドビュッシーは1918年に亡くなり、フォーレは1924年に亡くなった。フォーレの方が長生きした。エンマ夫人を巡る一連の出来事は、フランス音楽史の中でも謎が多いようである。
次は、ラヴェル「マ・メール・ロワ」 第1曲「眠れる森の美女のパウァーヌ」、シャルル・ペロー「マ・メール・ロワ」、第3曲「パゴダの女王レドロネット」、マリー・カトリーヌ・ド・ドーノワ伯爵夫人「緑の蛇」といったフランスの童話集に基づく4手のための小品集。ラヴェル自らオーケストラ版を作り、ラヴェルならではのオーケストレーションも見事である。こちらもフランスのエスプリ、研ぎ澄まされた音の世界が広がった。
これだけのコンサートが30分ではもったいない。せめて1時間あった方がじっくり楽しめただろう。物足りなさが残った。せめて、1時間にしてもらえないだろうか。
北原白秋の言葉である。
「師は選ぶべきである。が、また弟子も選ばるべきである。」
師との出会いこそ、人の道を開く。重い言葉である。
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