フルートから見たクラシック

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 テレビ朝日「題名のない音楽会」、3曲でクラシックがわかる音楽会、フルートを取り上げ、私たちが耳にしている作品から、フルートの魅力からクラシックを知る好企画となった。
 出演は、多久潤一朗(フルート)、神田勇哉(フルート、アルトフルート)、梶原一紘(フルート、バスフルート、コントラバスフルート)、高野麗音(ハープ)であった。
 フルートの歴史を紐解くと、12~13世紀、東洋の横笛がヨーロッパに伝わったことが始まりとされる。ルネッサンス時代に入っても、軍楽隊・旅芸人が演奏するだけだった。16世紀に入ると、市民の間で行われたコンソートで横笛を用いるようになり、教会でも用いるようになった。バロック期になると楽器の改良がおこなわれ、今日の原型、フルート・トラヴェルソが生まれた。バロック期のドイツでは、フランス音楽受容が盛んになり、ザクセン選帝侯国の首都だったドレースデンの宮廷では、フランス人のピエール=ガブリエル・ビュファルダン、ドイツ人ではヨハン・ヨアヒム・クヴァンツが活躍、クヴァンツは1752年、「フルート奏法」を出版、バロック時代から古典主義時代の音楽様式、演奏法を知るための好著であり、現代にも影響を与えた。
 今日のフルートの原型は、ドイツのフルート奏者、テオバルト・ベームによるベーム式によるもので、今日に至るまで、様々な改良が行われ、フルートの名曲もたくさん生まれるようになった。
 まず、ビゼー「アルルの女」第2組曲から「メヌエット」に始まった。20世紀初頭、フランス印象主義、ドビュツシー「シランクス」が続く。ドビュッシーは、「牧神の午後への前奏曲」でフルートをふんだんに用いたことを思うと、独奏曲を生み出したことは頷ける。ルーセル「笛吹たち」、シャミナード「コンツェルティーノ」、「星空のセレナード」などが生まれている。ドビュッシーはピアノ音楽のみならず、フルート音楽でも重要な役割を果たした作曲家だった。
 チャイコフスキー「くるみ割り人形」から「あし笛の踊り」、フルートの名曲として多くの人々から親しまれている。フルート四重奏の魅力、底力を見せている。リムスキー・コルサコフ「皇帝サルタン」から「熊蜂の飛行」、様々な試みがあって、面白く聴くことができた。
 フルート協奏曲を残したアンドレ・ジョリヴェの言葉である。
「フルートは至高の楽器だ。人間の深い息から生まれ、その音は肉体的でもあり宇宙的でもあるからだ。」
フルートの本質を伝えた名言だろう。

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