人権を学ばなかった日本人のツケ 名古屋芸術大学、來住尚彦学長のセクハラ事件を斬る

 フリーライター、今一生氏は、中居正彦のセックス・スキャンダルに端を発したフジテレビ問題に関して、次のように指摘した。
「誰かを攻撃したところで、人権問題は終わらない。自分より立場の強い相手に不当な命令を受けた時、どう対処できるのか考えてみて。自分がどれだけ『反抗できない心』を植え付けられてきたかに思い当たるから。」
 名古屋芸術大学の次期学長問題に端を発した、來住尚彦学長のセクハラ事件の根底にも通ずる指摘でもある。川村大介理事長・濱田誠経営本部長は、経営第1を掲げた挙句、竹本義明前学長をはじめとして教職員たちが推した作曲家、宮川彬良を蹴って、竹本氏を「心身の故障」と称して締め出し、強引に元TBS社員、アート東京代表理事だった來住氏を強引に学長に就任させた挙句、学生たちへのセクハラ事件となった。教職員組合によると、第2のセクハラ事件に発展するような事実も明らかになった。
 私立大学経営陣の強大な権力に対抗するにも、「反抗できない心」を植えつけられた私たちは無力な存在になっていることにも気づく。教職員組合は次のように言及する。
「『組合は賃金要求だけをすればよい』
とは、労働者の賃金・待遇・労働環境に限定した要求だけが、労働組合の役割とする見方です。しかし、労働組合法第2条では、
『自主的に労働条件の維持改善、その他の経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体』
とされており、労働者としての賃金・待遇・労働環境以外の要求は馴染まないとはしていません。
 しかも私立学校(大学を含む)では、生徒(幼児・学生を含む)・保護者に信頼される業務ができる環境、恵まれた学生生活環境であることで、生徒・保護者が入学を希望する。それによって経営が成り立つのです。生徒(学生)が集まらなければ経営が成り立たない=雇用も不安定になるのです。だからこそ、本組合は、学生にとってのよりよい環境(学費、施設、学習・生活支援等)整備のための内容も、団体交渉事項として求めているのです。」
ここまで言うなら、教職員組合は、來住氏がテレビマン時代、ジャニーズと癒着していたことを理解しているとは言えない。ジャニーズと癒着した人物が大学学長になって、セクハラ事件を引き起こしたという事実も受け入れることができたはずである。学生の保護者がワニズアクションに連絡して、講演会を開催してほしいという要望を受け入れ、講演会を開催してもらって、席上、來住氏のセクハラ被害に遭った学生たちなどへの支援金を集めて、手渡してほしい。
 來住氏のセクハラ事件も第2のジャニーズ問題である。学長室に女子職員を呼び出し、
「面白い話はないかな。」
などと聞き出していたという、第2のセクハラ疑惑も浮上した今、名古屋芸術大学がセクハラの巣と化したら、大学の名前・信用・品格がますます傷つくだけである。こんな大学に子どもを入れたくないとなったら、大学は潰れる。
 來住氏の金遣いも派手で、オープンキャンパスの時、食堂で贅沢三昧だったという証言もあり、疑惑のある可能性が高い。こうした面も含め、金遣いも調査する時である。
 あまりにも無法なことばかりするような学長は、即刻辞任してもらうことが1番である。教職員組合・学生・卒業生・保護者の皆さんが団結して、立ち上がってほしい。

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