クラシックかわら版

　テレビ東京社員から、桜美林大学教授となった田淵俊彦氏は、ジャニーズ性加害問題に向き合い、検証を続けるべきであると述べた。事件を風化させてはいけない取り組みである。今年のNHK紅白歌合戦にジャニーズ・タレントが出演しないことへのアンケート調査も行っている。田淵氏に、名古屋芸術大学で起こった來住尚彦学長のセクハラ事件を伝えた。
　ジャニーズと癒着していた來住氏を大学学長にして、セクハラ事件に至ったことは重大である。田淵氏に、名古屋芸術大学の将来を考える会のXを送り、連携を呼び掛けた。こうした方々とも連携して、來住氏のセクハラ事件を追及することを続けて行かねばならない。
　大学でのセクハラ・パワハラ事件が頻発しても、告発した被害者を訴えて、黙らせようとする加害者たちを許してはいけない。スラップ訴訟で自殺した人もいる。ジャニーズ性加害問題では、ジャニーズ事務所に子どもを送り出した母親が自殺した事例もある。その意味でも、來住氏のセクハラ事件を厳しく追及し続けることが大切である。
　NHK紅白歌合戦にジャニーズ・タレントが出演しないことは、ジャニーズ性加害問題が終わらない問題であることを裏付けている。名古屋芸術大学の大学祭では、來住氏のセクハラ事件に抗議した学生が模擬店を出店、収益金を被害に遭った学生たちへの支援金として送ったという。こういう形での抗議・支援活動があったことは重い。事件を風化させるなという抗議である。
　テレビ界がジャニーズ・タレントを出演させると言っても、心から喜んで見ている人がどれだけいるだろうか。喜べないはずである。見たくない人たちも増えただろう。名古屋芸術大学の今はどうか。受験生は増えたか。セクハラ事件を引き起こした学長がいるなら、受験したくないという受験生もいるだろう。
　経営第一主義がもたらした結果が大学のジャニーズ化、セクハラ事件である。名古屋自由学院理事会、川村大介理事長・濱田誠経営本部長は、経営優先で來住氏を学長にした責任を取らざるを得ないだろう。「病気」と称して追い出した竹本義明前学長から訴訟まで起こされ、慰謝料支払いに応ずる気があるだろうか。自分たちがやって来たことへの天罰が下ったことを認める気があるか。
　來住氏の金遣いも、大学存続に関わる重大な問題を抱えている。派手な金遣いはもとより、疑惑のある金遣いが出て来る。そうなった場合、名古屋自由学院理事会の責任が問われる。理事会は責任を取る気があるか。
　ジャニーズ性加害問題、名古屋芸術大学での來住尚彦学長のセクハラ事件は絶対に風化させてはならない。性加害は弱者への人権被害の最悪なものである。どんな世界でも許されない。子どもの人権・命を守ることが女性の人権・命を守ることである。また、男性へのDVについても、声を上げる人たちも出て来た。弱者への虐めほど恥ずべきものはない。小学校入学時から、憲法・人権をしっかり教える教育にして、子どもたちが声を上げられる社会に変えて行こう。