子どもの権利を守ることは、自立につながる 名古屋芸術大学、來住尚彦学長のセクハラ事件を斬る

 子ども家庭庁はいらない、給食無償化を進めよ。こういう声が広がりつつあることは残念である。子どもは生まれてから、親権に服するとなっているなら、子どもの権利はない。子ども虐待はなくならない。
 ジャニー喜多川の性被害が発覚して1年になったとはいえ、補償も進まず、被害を訴える人々は後を絶たない。被害者への心無い中傷誹謗を投げつけるジャニオタ、ジャニー喜多川の性被害などをデマ・名誉棄損呼ばわりするジャニオタたちもいる。名古屋芸術大学で起こった來住尚彦学長のセクハラ事件すら、デマ・名誉棄損という、呆れたジャニオタがいる。ジャニオタ程、迷惑なものはいない。
 親たちは殆ど、子どもをジャニーズでデビューさせ、スターにすれば有名になると考え、子どもの履歴書をジャニーズ事務所に送っている。その頃から、ジャニー喜多川の性被害疑惑が囁かれていた。子どもが被害に遭っても、
「そんなことはない。」
と信じていただろう。ジャニー喜多川の性被害の実態が明らかになった今、自分たちがやったことが仇になったとわかり、どういう思いだっただろうか。
 元テレビ東京社員、桜美林大学教授となった田淵俊彦氏はこう指摘する。
「ジャニー氏という『モンスター』を創り出し、利用し、ときには利用され、野放しにしたテレビを中心としたメディア側にその原因がある。NHKスペシャルに出演してそれが改めてわかった。」
「モンスター」となったジャニー喜多川が、如何にメディアを利用し、芸能界をほしいままにしたか。メディアもジャニー喜多川を利用し、癒着していた。田淵氏が日本文藝家協会正会員、日本映像学会正会員、芸術科学会正会員、日本フードサービス学会正会員、学会に所属していることは重要である。
 ろくに学業も修めず、学会にも属していない上、口先だけで就職できただけの來住氏、慶応義塾大学法学部を卒業後、ドキュメンタリー制作に携わり、社会への目も鋭く、学会にも所属する田淵氏との違いは明白である。來住氏がジャニー喜多川に可愛がられたとは軽薄であり、田淵氏がメディアの責任を痛感する言葉には重みがある。
 日本の社会では、生まれてから「言うことを聞け」で子どもを育て、子どもにも人権があることも教えない。「子どもの人権・命を守ること」を大切にしない限り、性被害・セクハラは続く。子どもにも人権がある。來住氏のセクハラ被害に遭った学生たちは、学校法人、名古屋自由学院理事会による人権侵害の被害者でもある。小学校入学時から、子どもに人権があること、憲法を学べるようにすることが大切である。
 経営第一で、ジャニーズと癒着していた來住氏を強引に学長にした挙句、セクハラ事件に至った今、名古屋自由学院理事会全体を刷新して、來住氏には一日も早く、学長を辞任していただくことである。名古屋芸術大学の信用・名前・品格を取り戻してほしい。

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