ジャニー喜多川とは何だったか 名古屋芸術大学、來住尚彦学長のセクハラ事件を斬る

 20日、NHKが放送した「ジャニー喜多川 アイドル帝国の実像」について、かなり辛辣な批判が出た。大みそかの紅白歌合戦にジャニーズ・タレントが出演するなら、見たくないという声が出た。
 一つの芸能プロダクションがキャスティングボードを握ることを止めさせる時である。過去には、1960年代から1970年代に君臨した渡辺プロダクションがキャスティングボードを握っていた。渡辺プロダクションの一極支配を打ち破るべく、日本テレビが「スター誕生」を制作、放送して、新人歌手たちを輩出していった。その後、ホリプロダクション、サンミュージックなどの芸能プロダクションが台頭した。
 日本テレビは、お笑い芸人の登龍門としても「お笑いスター誕生」を制作、放送した。鳳圭祐、京唄子、桂米丸などが審査に当たり、イッセー尾形、コロッケなどが輩出した。これも、吉本興業などの一極支配打破があっただろう。
 現在、お笑い芸人の分野では、吉本興業の一極支配がかなり進み、政界とも癒着して、自治体などのイヴェントに、吉本の芸人たちが出演するようになっている。大阪府を始め、関西方面では、大阪維新の会・日本維新の会と癒着して、選挙応援もやっていて、反感を買う向きもある。中央政界との癒着ぶりも非難の的となった。
 1980年代、ジャニーズ事務所が台頭、以後、40年以上にわたって、テレビ業界に君臨した。その陰で、ジャニー喜多川の性被害が進んでいた。NHKをはじめ、民間放送局がこぞってジャニーズ事務所・ジャニー喜多川と癒着するようになった。テレビ局関係者たちには、性疑惑が多数ある可能性もある。
 名古屋芸術大学の学長となった來住尚彦氏は、TBS時代、ジャニーズと癒着、ジャニー喜多川に可愛がられたと言って、顰蹙を買い、学生たちへのセクハラ事件を引き起こした。早稲田大学理工学部時代、まともに学問も修めず、口だけで就職したような人物を学長するとは、とんでもない話である。早稲田大学大学院、理工学研究科まで進み、フリージャーナリストとして活躍中の関口威人氏の方が大学学長に相応しい。
 関口氏が、來住氏の事件に抗議した学生たちの抗議展覧会にやって来た際、名古屋自由学院理事会が門前払いを食らわせた。これについて、毎日新聞・朝日新聞・日刊ゲンダイが抗議した。毎日新聞は、今でも來住氏のセクハラ事件への報道を続けている。ジャニーズ問題が公になってから1年経過した今、名古屋芸術大学で起こった來住尚彦学長のセクハラ事件を新たなジャニーズ問題と捉え、風化させてはならない。來住氏がジャニーズと癒着していたからである。セクハラ事件は起こるべくして起こった。そんな人物を金儲けで、大学学長にした学校法人、名古屋自由学院理事会の責任は追及すべきである。名古屋芸術大学の社会的信用・名前・品格を傷つけることとなった。
 ジャニー喜多川とは何だったか。未成年の子どもたちへの性虐待を繰り返す一方、スターに仕立て、金儲けをしたい放題続けて来た。中身のない、空虚な音楽。見せるだけ。そんなもので、金儲けしただけではないか。陰で、性虐待のトラウマを背負ってスターを演じたタレントたちが多数いた。イギリス、BBCのドキュメンタリーで告発され、実態が明らかになった。声を上げるようになったタレントたち、元タレントたち。ジャニー喜多川が築いたジャニーズ事務所は、性の犠牲で築いたタレント帝国だった。
 タレント帝国と癒着したテレビ業界。テレビマンの中には、性疑惑を抱える人物もかなりいる。來住尚彦氏もその1人である。そんな人物が大学学長となって、セクハラ事件を引き起こしてしまった事実は消せない。大学学長不適格、失格と言うべき人物を学長にした理事会の愚かさ。その上、それまで大学を支えた竹本義明前学長を「病気」と称して追い出したため、訴訟に発展した。
 ジャニーズ、ジャニー喜多川の正体が明らかになった今、大学までジャニーズに汚染されていたこともわかった。日本からジャニーズを追放し、才能ある人が活躍できる場、育てる場を築く時である。
 
 

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