オペラと声
テレビ朝日「題名のない音楽会」、今日は、オペラの役は声域で決まることを取り上げた。私たちはオペラを見て、聴く時、まず、役の声域に注目する。ソプラノ、テノールは主役、メゾ・ソプラノ、バリトンはライバル、悪役、アルト、バスは存在感のある役と決まっている。とはいっても、ビゼー「カルメン」はメゾ・ソプラノ、モーツァルト「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」、ヴェルディのいくつかの名作にはバリトンが主役となっているものがある。また、キーロールと言うべき、重要な役はメゾ・ソプラノ、バリトンが中心となる。
出演は加藤昌則、大西宇宙、高野百合絵、古坂大魔王。林周雅ストリングス。まず、プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」から「お父様、聞いて」、これはバリトンが主役である。ジャンニの娘、ラウレッタが父への願いを歌い上げる名アリア。高野が素晴らしい歌唱を聴かせた。「トスカ」から「テ・デウム」、教会のミサ、歌手フローリア・トスカの恋人、イタリア愛国の士、画家マリオ・カヴァラドッシを亡き者にして、トスカを手に入れんとする警視総監スカルピアの腹黒さを描く。スカルピアの圧倒的な存在感、歌より重要である。ドイツ、ケルン歌劇場専属歌手、バイエルン州立歌劇場などにも出演、晩年はシューベルト「冬の旅」に取り組んだ岡村喬生氏は、心からオペラを愛し、理解していた。歌より役の存在感の大切さを、オペラ歌手としても理解していた。大西が邪悪さを見事に描き出した。
プッチーニの絶筆、未完となった「トゥーランドット」、タタールの王子カラフのアリア「誰も寝てはならぬ」をバリトンが歌うとどうなるかという試みがあり、大西がこれに応え、カラフの役作りに一つの可能性も加えた。テノールなら一途な若者のカラフが、バリトンなら成熟した男の恋となっていく。若者の一途さ、成熟した男の重厚感。カラフの役作りにも一つのヒントとなる。
テノールが悪役となる場合もある。シューマン「ゲノフェーファ」ゴロー、ヴァーグナー「さまよえるオランダ人」エリック、黛敏郎「金閣寺」柏木などがある。こうした実例も忘れてはならない。
最後は、モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」から「手を取り合って」、ソプラノとバリトンの二重唱、高野と大西の掛け合いが見事、上演ならどんな結果になるか。楽しみである。
イタリアのバス・バリトン、I.ダルカンジェロがドン・ジョヴァンニに関する言葉を上げておこう。
「ドン・ジョヴァンニ役は声そのものに官能性が求められる。」
オペラを完全に理解した人の言葉として、後世に残すべきである。
出演は加藤昌則、大西宇宙、高野百合絵、古坂大魔王。林周雅ストリングス。まず、プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」から「お父様、聞いて」、これはバリトンが主役である。ジャンニの娘、ラウレッタが父への願いを歌い上げる名アリア。高野が素晴らしい歌唱を聴かせた。「トスカ」から「テ・デウム」、教会のミサ、歌手フローリア・トスカの恋人、イタリア愛国の士、画家マリオ・カヴァラドッシを亡き者にして、トスカを手に入れんとする警視総監スカルピアの腹黒さを描く。スカルピアの圧倒的な存在感、歌より重要である。ドイツ、ケルン歌劇場専属歌手、バイエルン州立歌劇場などにも出演、晩年はシューベルト「冬の旅」に取り組んだ岡村喬生氏は、心からオペラを愛し、理解していた。歌より役の存在感の大切さを、オペラ歌手としても理解していた。大西が邪悪さを見事に描き出した。
プッチーニの絶筆、未完となった「トゥーランドット」、タタールの王子カラフのアリア「誰も寝てはならぬ」をバリトンが歌うとどうなるかという試みがあり、大西がこれに応え、カラフの役作りに一つの可能性も加えた。テノールなら一途な若者のカラフが、バリトンなら成熟した男の恋となっていく。若者の一途さ、成熟した男の重厚感。カラフの役作りにも一つのヒントとなる。
テノールが悪役となる場合もある。シューマン「ゲノフェーファ」ゴロー、ヴァーグナー「さまよえるオランダ人」エリック、黛敏郎「金閣寺」柏木などがある。こうした実例も忘れてはならない。
最後は、モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」から「手を取り合って」、ソプラノとバリトンの二重唱、高野と大西の掛け合いが見事、上演ならどんな結果になるか。楽しみである。
イタリアのバス・バリトン、I.ダルカンジェロがドン・ジョヴァンニに関する言葉を上げておこう。
「ドン・ジョヴァンニ役は声そのものに官能性が求められる。」
オペラを完全に理解した人の言葉として、後世に残すべきである。
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